00部屋その六

□寝ている間に
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 自宮に帰ると、ソファの上でテスラが寝ていた。
「オイテスラ、何お前勝手にソファの上で寝てんだよ」
 起こそうと思い、テスラの肩を揺すぶってみる。返事無し。余程深く眠っているらしい。
 仕方がないので自分で紅茶を淹れ、テスラの横に腰掛けた。
「暇だなァ……」
 することもないので、テスラの横顔を眺めてみる。よく見ると整った顔立ちに、高い鼻、長い睫毛。今は隠された目は大きくまっすぐで、その視線が、俺にはいつも少し煩わしい。
「テスラ、」
 思わず手を伸ばして、テスラの横顔に触れた。
 テスラは目を覚まさない。
 少し体を傾けた俺は、そのまま、




 目を覚ますと、隣にノイトラ様が座っていた。
「あれ……僕、寝てしまっていましたか?」
 隣に座るノイトラ様に尋ねれば、黙って首肯。いつも饒舌なノイトラ様らしくない態度が、少し気にかかる。
 よくよく見れば、ノイトラ様の顔は少し赤かった。
「どうかしましたか? ノイトラ様」
 そう訊いてみると、彼はこちらを一瞥し、それから、低い声で僕に尋ねてきた。
「お前、寝てたよな?」
「え……はい、多分」
「そうか。ならいい」
「あの……ノイトラ様? どうかしましたか?」
「別に何でもねぇよ」
「はあ……」
 どうにも歯切れの悪い返事。ノイトラ様らしくない。
 眠っている間に乾いた唇を湿らせようと舌でなめてみると、何故だか、紅茶の味がした。









眠っているテスラが気になってちゅーしてしまったノイトラ様。

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