00部屋その六
□それでもどこかにあなたはいると信じてる
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拝啓 ウルキオラ様
お元気ですか?
あなたはあのときあたしの目の前で塵となってしまった。だけど世界のどこかで生きていると信じています。
あなたの綺麗な目の色を思い出します。
それは翡翠色。揺るがない、まっすぐで美しい色。
昔、私はあなたのその目が怖かった。何も映していないような気がして。
でも今、その色が、とても愛おしいんです。
あなたの目の色に似たものばかり集めてしまいます。あなたの目と同じ色は手に入らないというのに。
この前、たつきちゃんとアイスクリームを食べに行きました。
あなたはきっと、アイスクリームは好きじゃないと思います。甘い物は口に合わないと思う。
でも。
一度、あなたとアイスを食べてみたかったのです。何でもない話をしながら、二人で。
あなたはきっと、よく食べるあたしを呆れたような目で見るのでしょう。それでもいいんです。
この前、バイトしているパン屋の店長さんに褒められました。接客態度がとてもいいって。
何でもないことだけど、私はとても嬉しかったです。
あなたもきっと、うちのパンなら気に入ると思います。あなたが好きなのはきっと、食パンとかシンプルなパンだろうな。そのまま食べていそうな気がします。
ああ。
あなたに伝えたいこと、あなたと経験したいことが、たくさんあります。
ウルキオラ様。
お元気ですか?
あなたはあのときあたしの目の前で塵となってしまった。だけど世界のどこかで生きていると信じています。
だから、いつか、あたしに会いに来て。
ずっと書きたかったウル織……!