00その弐

□虚無への供物
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 ウルキオラは、セックスの意味を、知らない。
 最低限の知識は持っているだろう。生物が生命をはぐくむための儀式だということぐらいは。
 でも、それだけ。たったそれだけだ。
 だからウルキオラには分からない。俺がウルキオラを壊したくてセックスしていることが。
 触れる前は、抱けば壊れると思っていた。プライドを、ぐちゃぐちゃにできると思っていた。
 でも、できなかった。
 ウルキオラには何もない。だから、俺に抱かれることに対しても、何も感じない。
 快感もないらしい。だから俺は、ウルキオラを自分の快感を引き出すための方法のみでだく。それ以外なんて無意味だからだ。
「ウルキオラ、」
「何だ」
 空っぽの目が、俺を映す。
「ちょっとは、感じろよ」
「無理を言うな」
 放たれた声は、平素と何の違いもない。痛みに呻くことすらない、空虚な、存在。
「イくぞ」
 射精して、ため息をつく。
 俺の精子を吸い込んでもなお、この男は、空っぽだ。







ウルキオラはとことん空っぽ。

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