00その弐

□たった一人の君を愛してる!
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「どうせ俺なんて兄さんの代わりなんだろ」
 俺がそう言うと、刹那は整った顔をぐにゃりと歪めた。
「……どうしてそんなことを言う」
「どうしてもこうしてもねぇよ」
 俺の姿に、ミレイナを除いたこのトレミーの人間たちは兄さんの姿を見ている。それは前から気付いていた。だから、刹那が違うとは、言いきれない。
 いや。
 兄さんのことを誰より大事に思っていた刹那こそ、俺に兄さんを見ている確率が高いじゃないか。
「こんなごっつい男、誰が好き好んで好きになるかよ。兄さんに似てるから、好きなんだろ」
 自嘲を込めた俺の呟きに、刹那は「違う」と首を横に振った。
「確かにあいつのことは大事だ。でも、それと同じくらい、お前のことが大事なんだ」
「どうだかな。口では何とでも言える」
「信じてくれ、ロックオン」
 そう言った刹那は、突然俺の腕を掴み、ぐいと引き寄せると、唇にキスをした。
「こんなこと、お前以外にできはしない」
 その顔があんまりにも真面目で、まるで恋を知ったばかりの少年のようだったから、俺は思わず笑ってしまった。
「……分かった、認めるよ。お前は俺のことが好きなんだな」
「ああ。世界の誰よりも、お前のことが、好きだ」
 情熱的な口説き文句に、俺はキスで返した。
「俺もだよ、刹那」








刹ライ好き!という想いを全力で込めて書いた。

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