00部屋その壱

□誓約
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 何度も何度も、あの人の元を離れようと思ったことがある。
 私がいなくなれば、王進様への批判の材料が減るのだと思った。王進様は私を拾ったがために上に目を付けられたのだと思っていた。
 何度も何度も実行しようとして、でも、出来なかった。
 私がこっそり荷物をまとめていると、決まって王進様が部屋に現れた。何をしている、とあの人に問われれば、私には何とも答えようがなかったのだ。
 あの人は全部気が付いていた。
 私が全て自分のせいだと思っていることも。だからいなくなろうとしていることも。何度も何度も、それに失敗していたということも。
 王進様は一度も、そのことを口にしたことがなかった。
 おまえが悪いことなんてないのだ、と言ったことすらなかった。
 貴方は私を肯定してくれた。貴方は私を認めてくれた。貴方は私を全身全霊で守ってくれた。

「王進様、」

 今度は私が貴方を守ります。貴方が私にしてくださったように、私は貴方の盾になりましょう。
 私は知っています。
 貴方は反逆者などではないということを。
 私は知っています。
 貴方は誰よりも公明正大で、だからこそ他人に疎ましがられるのだということを。
 だから王進様、必ずどこかで生き延びてください。
 私も絶対に生き延びます。貴方が懸命に守ってくださったこの体を、この命を、絶対に守りぬいて見せます。
 だから今は私に任せて逃げてください。
 私にも、少しくらい何かさせてください。

「また、」

 そしてまた、何処かで私を待っていてください。



 貴方が待つ何処かへ、必ず私は辿り着いてみせましょう。










(まだまだAKABOSHI熱は終わってませんよアピール!)

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