00部屋その壱
□NL過去ログ
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ネックレスを貰ったことがあった。
フェルトとリヒティと一緒に地上に降りて、みんなで洋服を買ったとき。
「あ〜、これ可愛い!」
見つけたのはちょっと(って言うかかなり)高い、十字架にハートのデザインのネックレスで、あ、良いな、と思っただけなんだけど、そしたらリヒティが「じゃあ」とそれを手に取った。
「これ、欲しいんですか?」
「ううん、ちょっと可愛いなぁって思っただけだし。だって凄い高いもん」
「でも欲しいんでしょ?」
「んー、確かに欲しいことは欲しいけど……」
唇を尖らせて私が言うと、リヒティはニコッと笑う。
「じゃあ、俺が買いますよ」
その瞬間、思わずリヒティに見惚れてしまった。そのくらい、リヒティは格好良く見えた。
いつもは頼りなく見える顔が、すごく格好良い。買ってくれたからとかじゃなくて、こんなに高いものを買うよ、と言い出した、そのことが。さり気なく、でも少し遠慮がちに言い出したことが。
なんかリヒティ、凄い格好良い!
「良いの?リヒティ」
「構わないっすよ。今回は俺、そんなに買い物してないですし」
その言葉が嘘だということぐらい、すぐに分かった。
だってリヒティ、さっき散々買い物してたもん。好きなブランドの香水も新しいのが出たとか言ってたし、今からも買い物するはず。
なのに、わざわざあたしの為に?
「じゃ、買ってきますね」
「あ、リヒティ」
「はい?」
「ありがとう!!!!」
あたしの体を抱きしめるようにして守ったその顔は、何処となくその時の顔と似ていた。
ううん、違う。今のほうがそれ以上に格好良い。
(……リヒティ)
もっと早くリヒティを選んでいたら良かったのかもしれない。
ごめんね、リヒティ。
リヒティの気持ちに気付いてたのに、ずっと無視して。
(リヒティ、あたしを好きになってくれて、ありがとう)
貰ったあのネックレスは、今も大事にしてたの。
ただ、なんかもったいなくて、リヒティがいないときにしか着けれなかっただけで。
あたしだって、恥ずかしかったから。
(あたしも好き、だよ)
でもね、最後の最後に気付けて、本当に良かった。
リヒティ、他のどんな格好良い人よりも、君のことが一番好き。
24話見て物凄く切なくて……。
リヒクリは元々好きだったんですけど、まさかの展開で……。まさか、まさかこの二人は無事だと思ってたんで……。
でも、リヒティ凄く格好良かったです。クリスに通じて良かったなぁと思いました。