00部屋その壱

□本来ひとつだったものが、元に戻る
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 またアレルヤが泣いている。
 アイツの顔がではない、心が泣いているのだ。

「また偽善ぶって泣いてるのか?」
「……別にどうでも良いじゃないか」
「へぇ」

 俺が訊いてもアレルヤは答えようとしないが、それでもそんなことに意味はない。
 そんなことアレルヤの口から聞かなくても俺には分かるし、そのことをアレルヤ自身も知っている。脳を共有している俺らにとって、そのくらいのことは当たり前のことだ。
 アレルヤの側から、俺の考えを覗くことができなくとも。
 いや、できないんじゃない。アレルヤがそれをしようとしないだけだ。
 
 アレルヤは恐れている。俺の考えを知ってしまうことを。
もう一人の自分を知ることを。

「なぁ、アレルヤ」

 何があってもどんなに悩んでも、こいつの意識は偽善ぶった綺麗な心のままだ。
 それが何故か知ってるか? 
汚い汚れた部分は、全て俺が持っているからだ。
 
「教えてやるよ」
「なに、を」
「俺はお前なんだよ」

 そう。
 俺のこの壊れた、狂った部分は、本来お前が持つべき部分。
 アレルヤという人格が理性を保とうとして造りだした、人工的な人格に過ぎない。

 だから、俺の考えていることはアレルヤが考えていることだ。

「お前自身、本当は人を殺したくてしょうがないんだろ?だからガンダムマイスターになったんだ」
「違う、僕は戦争根絶の為に、」
「そういう大義名分が欲しいだけなんだよ、偽善者のアレルヤ。自分が殺した人間を見るのが怖いから、だから見なくて済むMSに乗ってるだけだ」
「そんなこと、」
「何言ってんだ?お前は人を殺したくて殺したくて堪らない。俺を見ろよ。俺は人を殺したくて堪らない。俺はお前だ、お前も人を殺したくて堪らないんだよ!!!」
「違う!!!」

 大声をあげて俺の言うことを否定する、しかしその声は大きく震えている。
 こいつは恐れている、俺と同じになってしまうことを。
 だからそれを否定するんだ。

 アレルヤが堕ちれば、本来ひとつだった俺たちはまたひとつの存在へと戻る。
 それの何が怖いんだ、なぁ、アレルヤ?
 それが自然なことなのに。

「否定しても意味はないぜ、俺たちが一人になるのは時間の問題だ」

 早く堕ちて来いよ、アレルヤ。
 お前と俺が同じ存在になる、その日が待ち遠しくて堪らない。

本来ひとつだったものが元に戻るだけのこと、お前はそれの何を拒否するん
だ?


 拒否をしても、何の意味もないというのに。


―アトガキ―

 莉央からリクのあったハレアレでしたww
 ハレアレ大好きです。大好きですよ、えぇ、大好きですとも。
 うわぁー、意識とか人格とか、またそういう話を書いてしまった☆
 私の中のハレルヤはアレルヤに対してかなり歪んだ感情を持ってます。自分に汚い部分を押し付けといて自分は綺麗でいるアレルヤを、かなり憎んでます。
 でも結局はひとつなんだから、結局は好きなんだよ。的な感じです。
 なんかもう、CPなのか何なのかすら分らない(苦笑)
 でもお気に入りです。こんな話で良かったでしょうか?

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