書庫

□嗤うなら嗤え
2ページ/3ページ

サスケの刃がナルトのクナイを弾いた。
けれどもナルトはもう何だか馬鹿らしくなった。
「どうして…。」
尋ねたナルトの右肩をサスケの刀がえぐる。
「どうして」
傷は骨に達する前に止まった。
サスケの踏み込みが止まったからだ。
「どうして今更俺とお前が闘う必要があるんだってばよ…?」
悔しくて、涙が零れた。
「お前が追って来るからだ。」
サスケの無機質な瞳は揺らぎもしなかった。
未来は彼の前にいくらでも大きく拡がって居たのに。
どれもこれも取りこぼしたサスケが、ナルトには憐れだった。
これが泣ける以外の何だと言うのだろうか。
「泣く位なら俺の事は忘れろ。」
刀を納めながら、サスケは吐き捨てる様に言った。
まるで噛み合わない。
けれど何時だって。

何時だって。

サスケはナルトを殺す事等出来はせず。

ただ。
背を向けるしかしないのだ。

「どうしてお前の隣に俺が居ちゃいけないのさっ!」
怒鳴るナルトに、サスケは眉ねを寄せる。

「お前の為だったら、俺も皆も協力するのに!」

「なんで俺達じゃないんだってばよ!」

「うるさい!」

言い募るナルトに、初めてサスケが声をあらげた。
「お前に復讐なんて似合わねーんだよ!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ