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□嗤うなら嗤え
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サスケの刃がナルトのクナイを弾いた。
けれどもナルトはもう何だか馬鹿らしくなった。
「どうして…。」
尋ねたナルトの右肩をサスケの刀がえぐる。
「どうして」
傷は骨に達する前に止まった。
サスケの踏み込みが止まったからだ。
「どうして今更俺とお前が闘う必要があるんだってばよ…?」
悔しくて、涙が零れた。
「お前が追って来るからだ。」
サスケの無機質な瞳は揺らぎもしなかった。
未来は彼の前にいくらでも大きく拡がって居たのに。
どれもこれも取りこぼしたサスケが、ナルトには憐れだった。
これが泣ける以外の何だと言うのだろうか。
「泣く位なら俺の事は忘れろ。」
刀を納めながら、サスケは吐き捨てる様に言った。
まるで噛み合わない。
けれど何時だって。
何時だって。
サスケはナルトを殺す事等出来はせず。
ただ。
背を向けるしかしないのだ。
「どうしてお前の隣に俺が居ちゃいけないのさっ!」
怒鳴るナルトに、サスケは眉ねを寄せる。
「お前の為だったら、俺も皆も協力するのに!」
「なんで俺達じゃないんだってばよ!」
「うるさい!」
言い募るナルトに、初めてサスケが声をあらげた。
「お前に復讐なんて似合わねーんだよ!」