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□いつか見た。青い海。
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「大好きな人を守りたいって言ってた。あいつ。」
けれども、自分の大切な物を守るには、他の誰かの大切な物を奪わなければいけなくて。
彼との出会いで初めて、そんな世の中にナルトは気付いた。
それは、きっと皆。
誰もが知っていて、目を閉じている。
そうして足を踏み締め無ければ、ただただ大事な物を失うばかりだから。
白もそうして生きて、死んだのだ。
そしてナルトは、悲しかったけれども、彼の命を絶ったカカシを一片たりとも恨んだりはしなかった。
「サスケはさ。どうしたいの?」
急に核心に触れる質問に、サスケは戸惑う。
大きくなってしまった鷹は有象無象の集まりで、ただサスケは存在するだけでその長となってしまって居る。
サスケじゃなきゃコイツら纏めらんないよ。
そう言って笑う元々の鷹の連中に、良いように祭り上げられている気もする。
サスケ自身は別にそんなものを希望しなくとも、勝手に人が集って来る。
「…お前は。」
ナルトに問われても、未だサスケ自身が悩んでいる最中なのだ。
だから。
「お前は、俺がどうしたら良いと思う?」
この機会に聞いてみたくなった。
尋ねたサスケに、今度はナルトが虚を突かれた顔をする。
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