書庫

□Somehow <サスナル+鷹の面々>
3ページ/4ページ

再びサスケの夢の中に戻るとしよう。

----------------
一頻り、仲睦まじく走り回った俺とナルトのその後はと言うと、俺がナルトを腰からタックルかませて、今まさに俺の下に組み敷いたばかりである。
でかい目で見上げるその仕草、俺を誘ってんのか?誘ってるんだろ?!
調子に乗るぞ、この野郎!

俺はそのままの体制で、ナルトの唇に吸い寄せられるように、顔を近づける。
ナルトの目はずっと見開いたままで、俺を静かに見上げている。
俺がナルトのキレイなアオの瞳一杯に映っているのに、実際にコイツは俺を見ていないんじゃないかと、ふと少しばかり不安になって、あと数pの所で止めた。

「サスケ…こんなに近くにいるのに、なんでお前ってばなんて遠いんだろな…。」

ナルトが、淋しそうにぽつりと呟いた。
俺は何も言えず、ただただナルトを見つめる。

「サスケってさ、自分ではなんでも知ってるし出来るって思ってるかもしれないけどさ、お前ってば自分の事となると、とことん『どどん』なんだよな。」

ナルトが苦笑交じりに溜息を吐いた。
俺は怪訝な顔して、ナルトを見る。

「なんだよ、どどんって!お前俺を莫迦にしてんのか?」

「度を越した鈍いヤツって、まんまお前の事だってばよ!オレやサクラちゃんの事、離れてからちょっとでも考えた事があるかよ?オレは一日だってサスケを思わなかった日は無かった…」

真剣な眼差しをまっすぐにぶつけて来るナルトから、俺は思わず視線を逸らす。

「誰も俺を心配してくれなんて頼んだ覚えはねぇし。」

ナルトの素直過ぎるトコ、あまりにも俺と違いすぎて苛々する。
コイツの前じゃ絶対素直になれそうもない自分も、歯痒くてやりきれない。

「それでも…やっぱり、オレってばお前の事心配だよ。サスケがオレの事どう思ってようが、オレは…」

ナルトが頬を薄っすらと桜色に染めて、言葉を濁す。
語尾を詰まらせたその先の言葉にピンと来て、俺は思わず笑みが零れる。
でも、ちゃんとナルトの言葉で聞きたい。

「おい…その先をはっきり言えよ」

俺は止めていた顔をナルトの首筋に埋め、耳元で意地悪く囁く。
ナルトの身体が俺の腕の中で、小さくビクっと一瞬だけ震えるのが分かった。

「なぁ、ナルト…」

耳を甘噛みしながら、囁き続ける。
調子に乗りすぎた俺は、ナルトから思わぬ反撃に遭い、胸元を強く押し返されていた。

「そ、そんなの…直接お前が目の前にいる時、言ってやるってばよ!その先が聞きたきゃ、里に戻って、オレに一番真っ先に逢いに来いってばよ!」

涙目で真っ赤になり、『サスケのぶぁーかっ!!!』と捨て台詞を吐き棄てて、あっという間に俺の腕の中から消えていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ