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□Somehow <サスナル+鷹の面々>
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「サスケ、早く起きろってば!」

うるせー、誰だ!人がせっかく寝てんのに!

ゆさゆさと揺り起こされ、俺は不機嫌極まりない顔で目覚めると、突然目の前に度派手な金髪と天色(アマイロ)の瞳が飛び込んできた。
片時も忘れた事など無い、否、忘れる事が出来なかった。

「ナルト…?」

俺は俄かに信じられなくて、恐る恐るナルトに触れようとした。
だがそんな俺よりも早く、ナルトが俺の頬に触れる。
暖かくも冷たくも無い、不思議な感覚。

「ちゃんと俺だってば。ほら、な?」

ナルトが、にしししと屈託無く笑う。
笑う顔が酷く懐かしいと感じる。

「なんで、お前がココにいるんだ?暁の連中に捕まったのか?」

なんともマヌケな質問ではあるが、確かめなければ気が済まない。

「はぁ?なんで、オレが暁に捕まんなきゃなんないんだよ。訳分かんねぇって。それより早く戻らねぇと、サクラちゃんが怒ってるってば。」

ナルトは俺の腕をぐいぐいと引っ張りながら、何処とも分からない所へと誘った。
引っ張られるままに、俺の足も自然とナルトについていく。

どれくらい歩いたのか、何も無い光の中をずっと歩いた。
ナルトは楽しそうに、満面の笑みを浮かべている。
やはり、コイツの笑顔を見るのは好きだ。

「サスケ!あそこまで勝負だってばよ!」

振り向きざまにナルトは俺の手をパッと離して、指をさした方向へといきなり走り出す。
少々フライングをしたナルトだが、俺が追いつけない訳が無い。
ハンデくらいつけてやっても良いさ。

「ちょっ!待てよ!」

俺もナルトの後を追う。
なんだコレ…。
昔の青春映画じゃあるまいし、なんで俺はナルトの後を嬉々として追いかけてんだ。
でも久し振りに見るアイツの笑顔を、今は消したくない。



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その頃。

「ねー、香燐…。あのサスケをどう見る?」
「あー?サスケはサスケだろうが!」

サスケ部屋を覗いている水月と、その水月の頭の上に顎を乗せた香燐。
ちょっと不気味なモノでも見るかのように、ベッドに横たわるサスケを見ていた。

「だってさ、寝てんのに気持ち悪い笑顔浮かべて、手足ばたつかせてんだぞ?いくら、寝惚けてんだって言ってもさぁ?」
「たしかに・・・。」

二人は顔を見合わせていた。

「「変態くさいっ」」

ぐっすり眠るサスケを他所に、水月と香燐の二人はゲラゲラ笑い合った。
その声が聞こえたのか、サスケの方からクナイが数本投げられた。
香燐はやすやすと避けられたが、水月には顔面hitしていた。
水月は特異体質なので、クナイが顔に刺さろうが別に死ぬ事は無い。
そんな状態でもサスケを暫く、二人は観察する事にした。
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