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□隣
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隣で喜ぶサクラと同じ様に、心の中でサスケは小躍りした。
例え一緒に下忍になっても、班が違えば余り会えないだろうが。
同じ班なら毎日一緒だ。
しかも、今までよりずっと近付く。
こんなに嬉しい事ずくめで良いのかと、戸惑う程だ。
内心喜ぶサスケに対して、ナルトは敵対心丸出しで、それに少しイラつくけれど。
良いのだ。
これから時間はたっぷり有るのだから。
つと、目の前で組んだ手元に唇が触れた。
ナルトの唇の感触が甦った。



 昼食を挟んで担当上忍との顔合わせ。
高い空を眺めながら、サスケは今朝自ら握ったおむすびを口に運んだ。
昼食の時間は苦手だった。
誰もが母親の手製の弁当を持ってくる中で、自分で作った握り飯を喰う気にはなれない。
ナルトもそうだった。
何時も飯時には姿を消す。今、あいつは何処に居るのだろう。
そう思い馳せた時、襲撃者はやってきた。
直ぐさま反撃しようとしたが、既に身体に掛けられたロープが邪魔をした。
クナイを取り出し、ロープを断ち切ろうとしたのだが、その時、襲撃者の姿が視界に入り躊躇してしまう。
金髪。
オレンジの服。
「てめぇ!ナルトだな!」
完全に反撃の時を逸した。
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