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□隣
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 下忍のチーム分けの説明会。
それは朝から、サスケの心臓を掻き鳴らし続ける一日だった。
今日から離れ離れと思っていたナルトが、そこにいる。
何が有ったのかは知らないが、ニコニコ笑顔で座っていた。
隙が有れば、事情を聞きたくて、彼の側に陣取ってみたが、額当てに夢中の彼は、サスケの存在にはなかなか気付いてくれない。
サクラが間に割り込んできて、やっとサスケが居た事に気付く始末だ。
しかも気付いた途端、無躾に睨みつけて来るから、サスケも思わず睨み返してしまう。
なんだってんだコイツは。
そう思った瞬間。
突然ナルトが傾いだ。
不意を突かれて彼の動きを読み取れなかったサスケは、目を見開く。
唇。
ナルトの顔がやけに至近距離にある。
唇に。
碧い瞳が大きい。
柔らかい感触と、彼の前歯。
数瞬の出来事だったが、心臓が止まりそうになった。
なんと言っても、昨日初めて彼に対する恋情を認識したばかりだ。
幸先良いのか悪いのか。
わめき立てるナルトに、悪態を返しながらも、鼓動の激しさを収める事に、苦労した。
けれどもどうやら、それは善徴だったとサスケは知る事になる。
元担任のイルカが読み上げた班編成で、サスケはナルトと同じ班になったからだ。
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