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□それは言の葉
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彼より早く、サスケを振り向かせ様と躍起になった。
けれどもそれはただの一人相撲だったのだ。
最初から、サスケはナルトだけ見ていた。
ただそれだけの事。
だから、ナルトがあんなに必死にサスケを追わずとも、目的さえ果たしたら、案外ひょっこり帰って来るかも。その程度に考えてしまったりもする。
ねえ、ナルト。
けれどもサクラは呼び掛けない。
彼自身がその感情を、恋だと認識して居ないから。
それは、ナルトにとってサスケ君が特別だからよ。
サクラの声はきっと、風に掠われたのだ。
ナルトは空の彼方を眺める視線を動かさなかったら。