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□仮面の二人
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彼等は、烏面の幻術によって、踊らされているのだ。
幻術で敵を消耗させたところを生け捕りにする。
そんな作戦のさなかなのであるが、待ちが長すぎて狐面は持て余し気味なのだ。
「全く、写輪眼てのは便利だってばよ。」
でも、まどろっこしいと呟いて、狐面は烏面の肩にひたいを寄せた。
「眠っても良いぞ。」
まだ抜け忍達は、幻術とはつゆ知らず、動き廻っているから。
「えー?任務中だし…。」
「だし?」
何と問われて、狐面は悪戯に肩を竦めて見せる。
「この状況で寝たら、サスケに何されっか、あぶねぇってばよ。」
「ちっ。」
「本当になんかするつもりだったんだ?」
「いいよ。もう。家に帰る迄我慢する。」
「とか言いつつ、ケツを撫でるな。」
「お前の暇つぶしに協力してやろうとしてるんだろ?」
「結構ですってばよ!」
狐面は烏面から身を離し、枝の上から飛び降りた。
もう付き合いきれないっての、と呟きながら。
「影分身。」
落下途中に印を結んで、狐面が三人に分裂する。
それぞれが抜け忍に向かい、拘束をした。
未だ幻術の中にいた彼等は、録な抵抗も出来ずに縄を打たれる。
「サスケー。帰るってばよ。」
三人の狐面に見上げられて、烏面も彼の元に飛び出した。
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