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□紅の彼ら
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良く天日に晒された旅館の布団の上に、二人はサスケを下にして倒れ込む。
「何するんだってばよっ!」
抗議する間に、鮮やかに態勢を入れ変えたサスケが、いやらしい顔でナルトを見下ろしていた。
情欲を醸すそんな表情も、彼の調った顔に載せれば美しい。
得な奴。
ナルトは内心で毒づく。
むかつくから、口が裂けてもカッコイイなんて言ってやらないのだ。
ナルトが口にしようがしまいが、それは厳然たる事実。揺るぎようがないから。
綺麗で、見た目より脆い彼が好き。
ナルトのフトモモに当たったサスケの中心が、硬く立ち上がっているのが解った。
顔が近付いて唇が重なる。
「サスケ…。お前怪我してんだからさっさと寝ろよ。」
サスケの気の済むまで唇を貪らせておいてから、ナルトは間近にサスケを睨んだ。
「馬鹿じゃねーの?こんなになってて寝れるわけないだろ?」
言いながらわざと腰を擦り付けてくる。
ついでに脚でナルトの浴衣の裾を捲くり上げる動作も、器用だ。
「ん…。」
サスケの中心に自身を擦られ、ナルトの唇から吐息が漏れる。
「お前だって、立ち上がってる。」
首筋にしゃぶりつくサスケの吐息がナルトの肌を擽った。
好きだ。
無性に。
ナルトはそう感じる。
けれども、ナルトがこんなにも愛する彼は、壊れるから。
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