境界線2、3部

□境界線2-7
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 「そんでさ、そいつ、すっげー気味悪かった。なんつーか、邪悪な感じ?」
首尾よく盗み取ったIDカードを渡して、ナルトはそのままシカマルに向かい合って話し出した。
昨夜の、強烈に印象に残った少年についてだ。
「一緒に居たのはフォノンの将校だった。大の大人があのへつらいっぷり。絶対ただ者じゃ無いってばよ?」
「名前は解らなかったのか?」
「うん。何を話してたのかも解んなかったし。」
そうか、と受けたシカマルは、首を捻ってまさかなと呟く。
「思い当たるの?」
「…うーん。思い当たりたく無い様な所がな…。ちょっと俺、カカシ先生に相談してくるわ。」
どうやらシカマルの賢い頭は、悪い予測を弾き出したらしく、渋い顔で立ちあがる。
そのまま出ていくのかと思いきや、彼は机上に置かれたままだったIDカードをポケットに回収し、ナルトを改めて振り返った。
「ナルト。有り難う。ご苦労様。お前は今日はゆっくり休んどけ。」
「あ…。うん。」
役に立てたなら嬉しい。
ナルトはシカマルの労いに、急に満足感に包まれた。
「また、必要なら言えってばよ。」
俺頑張るからと笑ったら、優しい力で肩を二度叩かれて、それも嬉しかった。
シカマルには、友情を感じる。
サスケとは違う意味合いで、ナルトは彼の事がとても好きなのだ。
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