境界線2、3部

□境界線2-6
2ページ/3ページ

触れるだけのそれは、直ぐに深さを求めだす。
数時間前に、知らない誰かがこの唇に触れたのだと言う事実が、サスケの感情を激しくさせる要因にもなった。
「ふ…んッあ…。」
執拗に絡められるサスケの舌が、ナルトを追い詰めようとして。
ナルトは喘いで仕舞う。
元々、感じ易い身体だ。
「…んンーサス…ケ。」
そしてそれが更にサスケを煽って、止められなくなった。
自力では。
多分此処で誰も止めに入らなければ、唇だけの触れ合いじゃ収まらなかっただろう。
「おめーら、いい加減にしとけよ?」
「…う…わあっ!」
急な第三者の声を聞いて、二人は現実に引き戻された。
強制送還だ。
サスケの肩の向こうに、大男の影をナルトは捕らえる。
「あ…アスマせんせー!」
「何やってんだお前等。」
こんな所でと、大男は頭を抱えた。
彼は猿飛アスマ。
組織の大人組だ。
普段は、表向きの仕事でレニーの軍施設に入り浸り内偵をしている為、余りアジトには現れないが、今日は珍しく帰る用事が有ると言うので、ナルトと落ち合う事になっていたのだ。
実際に彼がアスマに会うのはこれで二度目だったのだが、輪郭を被う髭を蓄え、山男の様な風貌のイメージは一度会っただけですっかりナルトの中で定着していた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ