境界線2、3部

□境界線2-6
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 彼方が白む明け方の道は、未だ僅かに肌寒い。
軽く腕を絡ませたまま、二人はのんびり歩いていた。元は整然と並んだ石畳だった通りは、所々欠けたままいびつに駅まで続いている。
既にナルトは少年の姿に戻っていて、少女のそれより骨張った肩が触れるのが、それでもサスケの安らぎだった。
幼いサスケは確かに少女に恋したが、どうやら姿形は余り関係無いらしい。
「あ…駅見えた。」
振り返り笑う彼に、サスケも笑みで返す。
駅舎にたどり着いたとしても、旅客車が動くには時間が早過ぎる。
暫くは外で待たねばならず、そこで表向きの仕事を済ませたアスマと合流する予定だった。
駅舎から暫く離れた路地に座り込む二人は、多少身なりのマシな浮浪児と言った所かもしれない。
「サスケ。夕べは寝てないだろ?少し寝て良いってばよ?」
「それはお前も同じだろ?」
隣り合わせに並んだナルトの手を、サスケの手が包む。
向かい合った顔は予想以上に近かった。
「…キスして良いか?」
「え!?…え、うん。」
頷いてから、唇が触れ合うまでが早かった。
久しぶりのくちづけだ。
シカマル達に合流してからは、二人の時間等、そうは無かったから。
その感触を、互いは過剰に感じて仕舞った。
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