境界線2、3部

□境界線2-4
1ページ/5ページ

 軍隊というものは、それはリニーやフォノンに限らず、男の占める割合が多い。
故に被侵略国ではレイプが横行するし、進駐軍相手の娼婦が増える。
ナルトが仕事として街に立てば、直ぐに盛りのついた軍人が寄ってくる。
それは街灯に群がる蛾の様だと、常にナルトは感じていた。
雄の本能というか、生き物の性というのか。
所詮人間は動物だと、ナルトは肌で実感する。
街頭で女を漁る若い兵士達を尻目に、彼は一軒の店に入った。
進駐軍の高級将校相手に外資が造った売春宿だ。
職員用の通用口で身分証の提示を求められ、シカマルの誂えた偽の身分証を差し出す。
進駐軍人の安全に配慮の行き届いた、清潔さと高級感がウリの店だった。
シカマルが欲しがるのは、こう言った所へ出入り出来る階級の軍人の情報だけだ。
それ以下の者はさしたる情報等持っていないに等しい。
調度品の整った店内は、暖色の間接照明に染められている。
ナイトクラブ風に誂えられた一階のフロアに足を踏み入れたナルトは、今夜の獲物の物色を始める。
広いフロアにゆとりを持って配置されたソファで女をはべらす男達は、正直、ナルトには皆同じに見えるのだが、その中でも落とし易そうな相手を捜すのだ。
何時も通りの手順だった。
しかしこの日は、不思議なグループ客が彼の視線をひいた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ