境界線2、3部

□境界線2-2
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 仕事道具を纏め、社員寮と言う名のアジトをナルトは出ようとする。
アパートタイプの自室のドアの鍵を閉めた所で、階段の踊り場の壁に寄り掛かるサスケに気付いた。
「…何してるってばよ?」
ナルトは夕べの言い争いを思い出して、眉ねを寄せる。
「俺も一緒に行く。」
あんなに時間をかけた喧嘩と言う名の話し合いをしても、サスケは全くナルトの言い分等聞いていない。
進展しない会話に、いい加減嫌気がさした。
「お前が来てなんの役に立つって言うんだってばよ?」
以前から同様、ナルトは駐留軍関係者からIDを盗む仕事を依頼されている。
女に化けて昌として潜入し、男の隙を突いてIDを奪うのだ。
男には仕事の間薬で眠っていて貰うのだが、ナルトは必ず女としての身体を晒し、触らせる。
そうしておけば、普段の男の姿のナルトは必ず安全圏に身を置けるからだ。
そんな仕事にサスケが一体どの様にして着いて来ようと言うのかと、ナルトは問うた。
サスケはもう、他の人間にナルトが触れられるのが嫌なのだそうだ。
けれども、それこそがナルトを今まで生かして来た商売で。
ナルトには、今更それを否定されるのが気に障る。
そして、シカマル達の元に身を寄せる以上、自分に出来る事はするのがナルトのプライドであった。
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