境界線2、3部

□境界線2-1
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 「そうれ!」
青空。
洗いたてのシーツを掛け声と共にナルトが開く。
バサリと音を立てて拡がる布地の端を木葉丸とモエギがキャッチした。
笑い声が広がる。
「こら!あんたたち!遊んでないでさっさと片付けなさい!シャーンナロー!」
怒鳴られて。
「サクラ姉ちゃんコエー!」
けれども子供達の声は笑っていた。
ナルトと、兄弟達と、サクラ。
所々に芝生の植えられた中庭で、毎朝洗濯物を乾すのが日課だ。
戦前は洗濯等乾燥まで全てオートマで、こんな作業はいらなったが、今はそんな事に使える電力等ないとサクラはぼやいていたが、ナルトや子供達にはそんな便利な生活等記憶にない。
子供達は皆、自分の名前がかろうじて言える位の年に焼け出されたのだから。
「今日も俺が1番干したってばよ!」
サクラちゃん褒めてとナルトが駆け寄れば、サクラは不承不承その頭を撫でる。
「兄ちゃんずりぃぞ!これ!」
サクラ姉ちゃん俺も、私もとナルトを真似る子供達の頭も一通り撫で、その儀式が終わってやっと、サクラの洗濯は終了となる。
「よし。じゃ、私はシカマルの所に行くから、木葉丸とウドン、後は宜しくね。」
取り込んで畳むのは、男の子の仕事だ。
「じゃ、俺も昨日頼まれた仕事しに行って来るってばよー。」
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