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□君と一緒に
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☆☆ 君と一緒に。☆☆ 


SとNの世界、おやぽ様へ。めいっぱいの感謝を込めて☆



「ど、どうしたってばっ・・・。イルカ先生!」

ナルトは玄関を開け、驚いて目を見開く。
目の前には、やたらと大きな荷物を両手に抱えるイルカが、満面の笑みを称えて立っている。

「ナルトにプレゼントだっ。お前、ずっと欲しいって言ってただろ?クリスマスにはちょっと早い
けど、随分寒くなってきたからなっ」

イルカはそう言って、手にしていた荷物をドンと床に置く。


「何、だって、ば?」

ナルトはきょとん、とそれを見る。

「まぁ、開けてみろって」

イルカに促され、それを一緒に部屋まで運び込み、ナルトはその包みをそっと開く。

「これ・・・」

ナルトは思わずサスケを見やう。


「そう、コタツ!お前、冬にうちに来る度に、『いいなぁ』って言ってただろ?こないだ商店街のクジ
引きで当たったんだ。うちにはもうあるから、さ」

イルカはてきぱきと、ナルトの狭い部屋に場所を作り、それを準備する。

「コタツ布団は先生のうちのお下がりだけど、いいよな?」

「う、うん・・・」

ナルトは思わず頷く。

「よしっ、出来たっ」

イルカはパンパンと両手を叩く。


「冬はやっぱコタツだよなぁ。今年は寒くなるって言うから丁度いいだろ?」

ニコニコ微笑ながら言うイルカに、ナルトは笑顔を返す。

「うん・・・。ありがと、ってばっ・・・」

イルカは大きな手で、グリグリとナルトの頭を撫でる。

「おっと、いけないっ。火影様に呼ばれてるんだったっ!」

そう言って、慌てた様子で部屋を出て行く。
ナルトはそれを見送ってから、部屋に戻り、それを見つめた。


自分の小さな部屋に、ちょっと大きめのそれ。
思わず、出る溜息。

「コタツ、温かかったんだってば、よ・・・」

いいなぁと、思った。そして確かに、それをイルカの前で口にしていた。
それは、本当のこと。

だから、イルカの好意は嬉しいと、思う。
ナルトが喜ぶと思って、してくれたことなのだ。
けれど・・・。

ナルトはそっと、唇を噛み締めた。



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