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□いつか見た。青い海。
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けれども彼は、彼自身の明確な答えを持っていたから、直ぐに普段通りの表情に戻れるのだ。
「サスケはサスケで居たら良いってばよ。」
そして立ち上がり、裾に付いた土を払うと、悩みを打ち払う様に笑って見せた。
「わりぃ。この質問無し。」
最初、サスケは何かをごまかされた様な気がしたが、直ぐにそれは違う事に気が付いた。
「ウスラトンカチ。」
溜め息が出て。
しかし自然と口許は綻ぶ。
「うっせぇよ。馬鹿サスケ。」
行くってばよ。
悪態をつきながら差し出された手を、サスケは取って。
何となくそのまま。
手を繋いだままに、二人は白とザブザの墓を訪うた。
「ここにあいつらを埋葬して、7年か…。」
先程摘んで来た花を供えるナルトの背中も大きくなった。
「なんか、短かった様な、長かった様な、不思議な感じだってばよ。」
「…そうだな。」
色々有りすぎて。
今となれば呆気ないほど早く過ぎた年月。
お互いに必死だったあの日々は、握った相手の手の温もりが柔らかく包み込んでしまった様だ。
もっと早くこう出来たらよかった。
けれども確かにあの歳月は、二人にとって必要な日々であったのだ。
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