≪Sweet or Bitter?≫
2月14日…
バレンタインデー
最近ゼロスに教えてもらったんだけど、テセアラでは女の人が好きな男の人にチョコを渡して告白するっていう国を挙げての一大イベントなんだそうだ。
…で、そのバレンタインで結ばれた恋人達は2人一緒に甘い時間を過ごすんだってさ。要はカップルの為にある日らしい。
イセリアには習慣のないイベントだったから俺は今まで存在すら知らなかったんだけど、とにかく今日は俺も大好きなクラトスと一緒に街でチョコ買って…
夜にはささやかなパーティーなんかして…
それからクラトスに…///
あ、あの…
その……
た…たくさん愛してもらおっかな〜って////(爆)
俺はそんな恥ずかしいコトを昨日からずっと考えてて朝から一人浮かれてた。
でもクラトスはイセリアの村長に頼まれた仕事があるとかでずっとデスクに向かいっぱなしで…
俺がたまに話し掛けても「ああ」とか「そうか」だけで全然話を聞いてくれそうにない。
今日はバレンタインデーなのにな…
いや、父さんが忙しいのは分かってるよ。俺だってもうガキじゃないし…
我が儘言って困らせる気もない。
だから俺はクラトスの仕事が終わるまで大人しく庭でノイシュと遊んでたんだけど、何となく2階の書斎に目を向けたら窓際でニヤニヤしながら突っ立ってるクラトスが見えて;
どう見てもアレは仕事をしてる顔じゃない。そう判断した俺はクラトスを誘う為に2階の書斎まで駆け上がり…
「クラトスーーっ///」
勢いよく扉を開けてそのままクラトスの胸にダイブした。
「ろっロイド!!?」
いきなり飛び付いた俺にクラトスはかなり驚いたみたいだけど、でもそれは一瞬ですぐに俺を抱き寄せ優しくキスをしてくれて…///
とろけるような甘いキスに俺は力が抜けていく…
「ふ…ぁ…ぅんんッ///」
クラトスのキスがだんだん激しく濃厚なものになり、伸ばされた手が俺の下腹部にそっと触れ──
…って違ーーーッ!!!!
これってまだ早いだろ!
「だぁあああっーーッ////も…もういいからっ!それより早く離れろってばぁああああッッ///」
「ぬぅおぉぉおおおおーーーっ!!!!?」
こんな展開を望んでない俺は思い切りクラトスを突き飛ばした。
そして数分後…
「ろっ…ロイド…一体何のつもりだ;」
頭から血を流しファーストエイドを詠唱するクラトス…
ヤバイ…
ちょっと怒ってる?
「えっ…と、その…ごめん;」
俺は慌ててクラトスに謝って、今日はバレンタインだから今すぐ2人で一緒に出掛けたいって事を素直に伝えた。
…が
「ダメだ…今すぐは無理だ…」
返ってきた答えはNO…
「えーッ!!!何でだよ?」
当然俺は抗議する。
「すまないロイド…。見ての通り仕事が全然片付かないのだ…」
クラトスはデスクの上の書類を手に取り、申し訳なさそうに俺に見せたけど…
でもそれってちょっとおかしくないか?
「アンタさっき仕事サボって俺とHしようとしてたじゃん;しかも自ら進んで…」
「狽ハぐぅううッ!!!」
危うく忘れかけてたけど、よく考えたらクラトスに拒否権はない。
妙にムカついた俺はさらにクラトスにツっ込んだ。
「…つまりHはしたいけど出掛けるのは嫌ってコトだよな?」
「……;」
「それって俺を使ってHを楽しむくせに、俺の楽しみには付き合えねぇってコトだろ?」
「す…すまない;」
「謝るってコトは図星なんだな?」
「いや…そういう訳ではないのだが;」
「だぁあああーーッじゃあどーゆう訳だよっ!!?…せっかく俺が誘ってんのにさ!結局クラトスは仕事サボってHはするけど俺と遊びに行くのは嫌だってことだろッ!!!!」
「狽ネッ…嫌とは言ってないだろう!」
「でも後回しだろッ!!!…Hは今すぐやるのにな!」
「ロイドッ!!」
「何だよ?本当の事だろ?」
「うぐッッ!!…だ、だからあれはだな;お前が急に抱きついてくるからだろう!」
「うッ…うるさい変態!親馬鹿!!ストーカー!!!スパッツ!!!!」
暫く俺は怒り任せにクラトスに怒鳴り散らしてたんだけど…
「うう〜ッ///」
やっぱり今日は特別な日だろ?
俺もガキじゃないし、そろそろ許してあげなきゃなって思った調度その時。
「ロイド、いい加減にしなさい!いつまでもそんな子供じみたことを─…」
「なッ///」
俺は1番言われたくない事をクラトスに言われて…
再びブチ切れた。
「子供じみたこと?ああっどーせ俺はガキですから!…ってか本当クラトスはずるいよな!都合のいい時だけ父親面出来るんだもんなッ!!!」
だいたいクラトスは子供子供ってうるさいんだよ!
俺は正義なんて言葉をチャラチャラ平気で振りかざす奴より、子供って理由くっ付けて大人ぶる大人の方が嫌いなんだッッ////
いくら父親でもそこは絶対譲れない…
…ってかバレンタイン?
何だそれ?
もう知らねーッ/////
「さよなら…父さんっ…て気持ち悪いから後ついてくんなよな!」
「は…はい(死)」
こうしてEDの名台詞を吐き捨てたロイドは、その背に羽根を宿すと開いてる窓から飛び去った。
残されたクラトスは既に瀕死の状態で、ロイドが飛んでくのをただ呆然と眺めることしか出来なかったという…(チーン)
***
それから1時間後…
泣きながら家に戻ってきたロイドは無言でクラトスにチョコをブン投げた。
それは微かにビターが効いたちょっぴり背伸びな大人の味だったそうな;
ちょっと遅めのバレンタイン…
それはクラトスの土下座から始まる(笑)
…Happy End?
****
土下座します…
甘々のつもりがいつの間にかギャグに転んでるし;
オチも弱過ぎて意味不明ですし…
はい、たぶんこれ甘々バージョンを書き直します;
いや最後まで読んで下さった方本当にありがとうございました!(逃走)
凪鴉