捧色の間4
□絶対の存在じゃなくても・・・
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・・・―――「李 絳攸か」
藍州へと送られてきた楸瑛からの文を読みつつ、同じ顔をした3人、そう、藍家三つ子当主達は、ポツリと呟いた
「本当に、楸瑛からの文には『絳攸』がよく出てくるねぇ」
そう言ったのは、三つ子の次兄
「そんなに良い子なのかなぁ『李 絳攸』」
「「「あの黎深の養い子なのに?」」」
声を揃えて言った三つ子達は、不思議そうに眉を寄せた
「でも『李 絳攸』が楸瑛の大切な人なのは間違いないね」
「問題は・・・李 絳攸が、楸瑛が彼を大切に思っているのと同じくらい、楸瑛を思ってくれているか、だね・・・」
三つ子達は、イタズラを思いついた子供のような顔で笑った―――