捧色の間4

□天つ才は甘え上手
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・・・―――「また迷子になったのかい?」


良く知りすぎた声がして、振り向こうとしたら、その前に後ろから抱きつかれた


「な!?」

何をしている!と怒鳴りたいのに、驚き過ぎて上手く言葉にならない


「ん?ちょっと絳攸補充をね。君、可愛いから」


絳攸が怒るのをわかっていつつ、楸瑛がクスクスと笑いながら言うと、ようやく驚きが怒りに変わったらしい絳攸が、何とか楸瑛の腕から逃れて、

「ふざけるのも大概にしろ!この常春頭!!」

と、怒りと羞恥で真っ赤になって怒鳴る


「はいはい、ごめんね?さぁ主上の所へ行こうか」

絳攸の怒鳴り声を、むしろ楽しむようにニコニコと笑いながら、楸瑛は絳攸を促す


歩きながら、まだ怒鳴っている絳攸を、

『ほんと、可愛いなぁ』
なんて思いながら、楸瑛は、全然反省してない声で、楽しそうに

「ごめんね絳攸」

と繰り返した―――
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