色彩の間
□小さな大人、大きな子供
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絳攸は、弾かれたように目を開けた
そして慌てて、ギュッと目を閉じる
絳攸は、夜中に目を覚ますのが嫌いだ
真夜中の静けさに、まるで世界に自分一人のような錯覚に襲われるから・・・
大抵の者が聞いたら、幼子じゃあるまいし、20歳を過ぎて何を・・と笑うだろう
けれどどうしても、絳攸は慣れることが出来ない
怖い
一人に、独りになるのが怖い
頭にはそれしか浮かんでこない
早く意識を手放したくて目をきつく閉じても、怖くて眠ることも出来ない
そして声は出さずに涙だけを流す
スッ・・・と誰かの手が頬に触れた