捧色の間
□温もりで感じる世界
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『白家門家に謀反の疑いあり』という情報を得た劉輝は、楸瑛、静蘭、そして絳攸を連れて、謀反の疑いをかけられている白門家に向かった
門家の謀反は、王族ではなく主家である白家に対したもので、白家を抑え、彩七家に並ぼうというものだ
本来は白本家が抑えねばならないが、彩七家と門家という、国で屈指の力を持つ家の争いを長引かせるのはまずいので、――劉輝が王座について数年しか経っていないこともあり――
事を収めるために王族が出ることになったのだ
何故謀反鎮圧に、武力が全くない絳攸がついてきているかというと、“交渉”のためである
流す血は少ないほうがいい
だから(劉輝・楸瑛・静蘭による)強行突破で、謀反を指揮している者、それに準ずる力を持つ者に会い、交渉によって謀反鎮圧を成し、流す血を最小限に抑えるためだ
駆け引きを必要とされる政治交渉において、絳攸ほど頼れる者はいない
『朝廷随一の才人』その名が示すように、怜悧な表情を崩さず、相手にこちらの意図を悟らせず、相手の心理を正確に読む
楸瑛や静蘭も、武官とは思えない類稀なキレ者だが、能吏・景侍郎に『人の50歩先が見えている』と言わしめる絳攸には及ばない
絳攸を論破出来るのは、悪夢の国試組と呼ばれる面々くらいのものだ
天つ才・紅 黎深が手塩にかけて育てた、当代随一にして希代の能吏が絳攸だ
だから今回の件を騒ぎになる前に片付けるために絳攸が必要だった