捧色の間5
□どこか似た君と・・・
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・・・―――まだ幼ささえ残る君は、けれど少しだけ、私に似ていた・・・
進士がやるには理不尽な量の仕事を押し付けられて―― まぁこれは私もだけれど ――会う人全員からと言っても過言ではないくらい、1日中罵声を浴びせられて、時には命さえも狙われて、
客観的に見れば、絳攸にとって、官吏になってプラスになったことなんか無い
彼はわざわざ傷つくために官吏になったのだろうかと、そんなことさえ、思ってしまう・・・
けれどそんな中で君は、苛立ちを見せることも、涙を見せることもしないんだね・・・
そんなところは、とても私に似てるけど・・・
だけど君の弱さを、私は知ってしまったから、冷たくさえ見える君のその表情が、あまりにも不自然に思う・・・
泣いた君が、少し羨ましくて、
皆が君が居なくなるのを望んでるわけじゃないよって伝えたくて、
あの日からずっと、なんとなく、ずっと隣に居るけれど・・・
君はまだ、私の“後ろ”に『藍家』を1度も“見ない”けれど、
ねぇ、いつまでそんな風に自然に、君は私に接してくれる――?