その他著権駄文部屋3

□君の正体、君の名は
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「っは!」

拳を付きだし
その度に
深く呼吸をする
何度も繰り返し
最後の一付きを繰り出し
仕上げとばかりに
呼吸を整える

「…何者だ」

静かに
感じた気配に声をかける
気配を感じた方に視線を向ければ
はっ!

なり
瞬時にそちらの方に
向き直り
膝を着く

「タロウ様」

ご無礼致しました
主君に対して無礼な態度をとった事を謝罪しながらも
向こうの返事が無いことに
違和感を覚え
思わず顔を上げる
途端に
目に写ったのは
粒子化しようとしている
主君の姿だった

「タロウ様!」

一体何が?!
驚きの声を上げると
主君は
消え入る声で

「…む、こうに…きづか、れた…」

そう紡ぐ
その言葉に
そうなのですね…
その言葉の意味を理解し
拳を握る

「お前、の…力がひ、つようになった…」

頼む…
お、れが…
もど、るまで…
あい、つらを…
主君の伸ばされた手に
壊れ物に触れるように触れる

「承知致しました…タロウ様。貴方様がお戻りになるその時迄…」

このジロウ
貴方様の“居場所”をお守り申し上げます!
此方の言葉に満足したのか
主君は
小さく微笑んだかと思うと
光の粒子となって
消えた
どうかご無事で…
その光景に願うように呟くと

「…タロウ様がお選びになった人間のお供の方々か…」

どのような方達だろう…
本の少し
緊張を覚えながらも
それを払拭するように
自身の両頬を
パンッ

手のひらで叩いた
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