管理人駄文部屋

□4話 その決意(誓い)、黒き“存在”に向けて・・
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《1》

「っぐす・・ひっぐ・・」
それは突然の事だった
その日も平穏だった
少し違うのは空が少しだけ黒かった事だ
雨でも降るのだろうか・・
洗濯物を干していて思った
乾かないなら干さない方がいいだろうか・・
色々考えながらも、その日を過ごしていた
そんなつかの間も一つの影でかき消された
声が出なかった
恐かった
何がいけなくて自分は“普通”に居てはいけないのだろう
“現在”の平穏も嘘だったのだろうか
恐かった
だから叫んだ
助けてと
でも、それは言ってはいけないことだった
「お、おにいちゃん・・・うぇ・・・」
「だ・・・いじょうぶ、だから・・レトないちゃだめだよ」
「うっうえぇ・・・」
目の前に存在する魔物が黒い影を纏い咆哮を上げた
大きな口には赤い液体がべったりとついている
その側には赤い水溜りが出来ており、棒のようなものが“一つ”転がっていた
「シフ!!レト!!」
義母が悲鳴を上げた
転がっているのは引きちぎられた兄の腕だった
「う・・・ふぇ・・」
助けて・・助けて
助けてよ!!!
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