管理人駄文部屋

□3話 それぞれの使者、真実と隠された現実(真実)
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あれから数週間・・・
龍刀の案内で龍帑邏武の国を山伝いに抜け、途中、何度も冷や汗をかく場面があったが
何とか目的地の獅子灯乙国の眼と鼻と先と言う所でルフィト達は、日もまだ暮れぬうちに身体を休めていた。
「ご飯そろそろ出来るよ〜」
「わーい」
焚き火にくべた。鍋をかき混ぜながらも龍刀が、そう言えば獣刀が、自らの尻尾を振った。
緑炎に至っては自らの刀を磨いていた。
「姉さんもそろそろ呼んで来なくっちゃね。」
獣刀に鍋を混ぜるのをまかせ、立ち上がると
「うっかり、ぽろりとかするなよ?」
「っばっ!!そんなことしないっすよ!!!」
緑炎の言葉に顔を真っ赤にして手足をばたつかせた。





「や〜ん。えぇ、気持ちじゃよ〜」
ルフィトは一人、年寄り臭い事を言いながらも風呂に入っていた。
目的地を目指す段階で偶然にも見つけた、天然の湯溜まり・・
龍刀から聞けば、ここら辺はお湯が地面から湧き出るらしく、誰かが形を作ったまではいいが、湯は出ずにそのまま放置された場所ではないかと言う事だった。
年月が掛かったのであろう今では、お湯が沸き風呂と化していた。
こういうのをこの東の国では天然露天風呂”というらしい
「極楽〜。」
お湯に半分沈みながらもルフィトは、色々と考えを廻らせていた。
「(・・・結局は、何がわかったというわけでもないか・・)」
意味無いなぁ・・
一度お湯に沈み、浮き上がると
「(あの宝石・・世界中にあると言っても間違いないあの宝石の付いた武器・・。この前のあのクソガキがやった、あの黒いなんか・・。ルー坊にあのそっくりなイミナとか言うの・・)」
そして
「母さん・・・」
一人呟き、溜息を吐いた。
姉さーん!!
そろそろご飯出来るよー
龍刀の呼ぶ声が茂みの向こうから聞こえ
「わかったー」
返事を返しお湯から上がると
「・・・・どうにかなるでしょう」
身体を拭き、着替え始めた。
「!?その背中の・・・・お前もか」
「へ?」
タオルで髪を拭いていれば、反対側の茂みから見たことも無い男が一人
その瞳は、黄金に近い淡い黄色の目をしていた。
「・・・・・」
「・・・・あっ。」
この展開どっかであったわ・・・・
ズボンは履いたばかりだが上は未だに濡鼠・・
男は何かを察し、一言呟いた後に、その瞳の色が黒色に変わったが、ルフィトは気づくわけも無く
「やば。刃雀パス。「えっ?いきなり・・・!?」
「・・・・・・・・・!!!」
「ちょっ!?」
強烈な一撃が男の顔面を捉えた。
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