管理人駄文部屋

□2話 新たな仲間(ちから)、黒き存在(モノ)
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《1》

「(あれ?兄者にお客さんかな?)」
廊下を歩いていれば部屋から誰かの話し声。
ほんの少しだけ、隙間を空けて中を覗き込めば二番目の兄が誰かと会話している。
見た事無い男だった。
「(何処の国のヒトだろう?兄者と対等に会話してるや)」
静かに聞き耳を・・覗き込んでいると会話が少し聞こえてきた。


「近頃・・この辺りでも出ますか?」
「その言い方を為さると言う事は・・そなたの国も?」
「えぇ・・」
「アレは一体何なのか・・天鳳羽屡玖では、御触れを既に出していると言う。魔物でもなければ・・物の怪でもない。アレは一体・・」
「今のところ、夜にしか現れないと報告はありますが・・事は進んでいるのかもしれません・・」
「・・・蒼風殿は何かご存知なので?」
「いえ・・何と言いますか・・」
「何かあるようですね。深くは追求いたしますまい・・貴殿程の方が、その様な時に休暇とは・・気になっていましたので」
「あはは・・グサッと来ますね。しいて言うならば解決の為に動く時が来た。と言う事ですかね・・。」
「ほぉ・・」
「・・・・先祖からの因縁・・と言うものです。」


「(先祖からの因縁?)」
男の言葉に首を傾げた。
一体何の事だろう・・
それに何だか、男の側に置いてある刀が凄く気になる・・
やけに鞘飾りに大きな石が付いている。
あの刀が・・。
「龍刀さん?どうしたんです?そんな所で突っ立って?」
「!?」
名を呼ばれ飛び上がる
そこに居たのは一番目の兄の嫁・・自分にとっては義理の姉だった。
「あ、あーそのえーと。すいません!!!」
「?」
もうダッシュでその場から立ち去った。
頭の隅にはあの、刀が・・正確には鞘の飾りが離れずに。
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