その他著権駄文部屋1
□変わった刻(とき)
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その風景は変わっていた
汚れた風では無かった、山には動物が多く、自然も多くあった。
だが違う、景色はガラリと変わっていた。
風は汚れ水も汚れ自然は消えだし、動物もほとんどいない。
あるのは、人間の作り出した文明の光・・人間
「よう。レイ!んなとこにいやがったのか?」
「・・・ガイ。」
「どーよ?シャバの味は?久しぶりだろ?」
目下に見える人間の文明・・・。そこから吹く風はごちゃごちゃした匂いを乗せて吹いてくる。
「・・・変わった。」
「あぁん?そりゃそうか!百鬼界は時間とか関係ねぇんだよなぁ?まーヒョウガと鏡探しながら高丘のと遊んでたからな〜俺にはそうはかんじねぇ」
こいつも変わった。
「お前は」
「あん?」
「・・・もう少し威厳の合った喋り方をしていた。そんな崩れた喋り方ではなかった。」
「真顔で、んなこというかぁ?」
この顔は生まれつきだ。
「沢山の仲間が百鬼界に追放されてよ。楽しみが無くなって気が抜けた。そんだけさ。」
その瞳は、遠い場所を見ているようだ。
仲間達は、百鬼界からは二度と出て来れない。
ヒョウガは奴らから俺達を逃がす為に死んだ。
もうアシュは俺達二人だけ。
「だけどなぁ。今は楽しいぜ?なんでかわかるか?」
「?」
その瞳に何かを求める光が浮かぶ。これは本当に楽しんでいる時の眼だ。
「人間共の文明。うざってぇ高丘の、そんでボウケンジャーとかいうやつら。」
・・・
「で、こいつらを、俺とお前で完膚なきまでに叩き潰してぶっ壊す。そんでもって俺らの時代が来るってわけだ。」
はっ?
「アホかお前は」
「てっ手厳しい!?手厳しすぎるぞ?レイ!」
こいつの動作が可笑しくて笑みがこぼれる。
こいつのそんなところは変わっていない。
まだ、変わらないものがあった。
「フッ・・。その話のってやる。お前だけに楽しみはやらん」
「へっ。言ってくれるぜ・・『大いなる獣』さんの有能な知恵と『怒りの鬼神』の俺の力があればあっという間だぜ?」
「自分で言ってて恥ずかしくないか?ガイ」
「うっせぇ!そんな顔して言うな!!」
変わったならば戻せばいい。
俺達ならば変わった景色を戻せる・・
そして俺達の時代を。