その他著権駄文部屋1
□“今”と“過去(昔)”、今日“この時”
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うっわああああ?!
全員が固まった
本気で固まった
手にしていた残りのクラッカーが不発に終わるぐらいに
ナーガでさえ
?!
目を瞬かせ困惑気味だ
あれ
間違えた…?
固まる中で互いに視線をあわせ
最終的には
その情報を持ってきた司令に
非難と訝しげな視線が向けられる
いやいや
ぼくちん間違ってないよ!?
と
司令は首を振る
だったら
なんで
(スティンガーが泣いてんだよ!!)
あわわわ
実は
“本日”は
司令がもたらした情報によると
スティンガーが
生まれた日
らしく
司令が
ポツリ
と
当日にもらすものだから
知らない自分達は慌てて
準備
スパーダは
そう言う大事なことは早めに言ってください!
と
司令に怒鳴り散らしたのは記憶に新しい
それでも
スティンガーの好きな料理やデザートを沢山用意し
自分達も
飾り付けや準備をしたりとてんやわんやの大忙し
ちょっとだけ無念なのは
まともにプレゼントが用意できなかったこと
誰もそれを知らなかったし知れなかったとは言え
口惜しい
盛大にお祝いをして
まずは
そこは謝ろうと皆で決めた
準備の合間にスティンガーの
気を引くのは
小太郎とチャンプに任せたけど
連れてきた本人達も
目を瞬かせ
固まっている
自分達の固まっている間にも
スティンガーは
ほろり
ほろり
と
静かに涙を流していた
沈黙が流れ
誰かが唾を飲み込む
「あ…兄貴…」
もしかして
間違ってた?
それが合図だったかのように
意を決した小太郎が
尋ねると
あ…
と
スティンガーは
我に返ったように
涙を拭い
小さく謝った後
「いや…あってる…」
照れ臭そうに
ありがとう
と
言葉を零した
「だったら…いきなりどうした?」
相棒?
チャンプの言葉に全員が全力で首を縦に奮う
まったく
その通り!!
「いや…その…」
チャンプの言葉に
スティンガーは
完全に顔を赤らめ
自分達の
視線に逃げるように
一度
咳を零すと
たじたじになりながらも
「こ…“今回”は…」
独り
じゃないんだと…
感じて…
ボソボソ
と
スティンガーが
小さく呟くものだから
聞き取る為に
皆
耳を傾けた