その他著権駄文部屋1

□何時かの“瞬間(いろ)”・・
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「…」

ベランダの椅子に座り
ただ
ぼんやりと黄昏色に染まり始める景色を眺め

「なんか…似てるなぁ…」

ぽつり

大和は呟く

『俺は…お前を守る』

最後の王者の資格を覚醒させた“あの人”の“色”に…
何で…
俺を命懸けで助けてくれたのか
傷つきながらも守ってくれるのか
その真意はまるで分からない…

「似て…るなぁ…」

昼から夜に掛けての僅かな狭間の朱色(いろ)

『俺は…“仲間”にはならない…』

力強い言葉と拒絶する言葉の狭間に見せた僅かな感情(いろ)

「(貴方の…“真意”は俺には分からないです…)」

何があったんですか?
何故…
俺に命を懸けてくれるんですか…?
ただ
何時の間にか
夜の暗闇に染まった景色を見つめ
思う

「(だけど…)」

何時か
全てを…
全てが明らかになった時には…

「大和」
「あ…」

叔父さん
名を呼ばれ振り返れば真理夫がガラス戸を開け
ご飯が出来たぞ♪

言葉をくれた
アトリエの中からは皆が笑いながらも騒ぐ姿と声が傍まで届く
その“明かり”に思わず目を細め

「ありがとう叔父さん」

今行くよ

立ち上がり見ていた景色に背を向ける
だが
歩み出す前に
見ていた景色を振り返る
闇に染まった静寂

「大和?」
「…何でもないよ」

真理夫の後に続いてアトリエの中へと入る

貴方は…
“暗闇(独り)”ではなく…
“明るい場所へ(仲間)”へ…
来てくれますか?



※フライング37話
長かった鳥男の出番がくるのが長かった(ノд<。)゜。
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