その他著権駄文部屋1
□“その日”の“親友”達・・
2ページ/2ページ
「ありがとう…」
カノン
妹の言葉に返事をし
眼魂を大切にジャケットのポケットに仕舞う
なんて
優しい子何だ…
お前は…
自分の方が
辛い筈なのに
俺の心配など…
自分の腑甲斐なさに思わず座って居たベンチにずるずると滑るように背を預け溜め息を洩らす
「…何時から居た」
「君が私に気付かないなんてね」
何か話し込んでいたからね待ってたんだ
そして何時の間にか隣に座っていた人物、アランに思わず眉を寄せた
クスクス
と
笑われ
ちっ
と
舌打ちを洩らす
俺が
気付かないとは…
「…何か様か?」
だらしなさを正しながらも
自分の腑甲斐なさと言うよりも
“傍”を取られたと言う戦う者としてのあるまじき事の恥ずかしさを誤魔化すように
その口調に思わず苛立ちを込め
睨んだ
「少し君に頼みたい事が…あるんだけど…」
此方の事など
さして気にはしていないようだったが
?
なんだ?
何故か歯切れの悪い言葉とポカン
とした表情を此方へ向け
「君…ちゃんと寝ているのかい?」
隈
前より濃くなってるじゃないか…
顔へと伸ばされた手が
目元に触れる
触れて来る手に思わず目を細めたが
直ぐに
その手をやんわりと外し
「俺には…必要ない」
そう言い放てば
「“人間”には必要なもののだろう?」
と
返される
その言葉に
はぁ
と
溜め息を吐くと
「あいつの置かれた状況に比べたら…俺など…」
「私には君の言う“あいつ”が何者かはわからないけれど…」
目的の為には自分自身を大切にするのは大事な事ではないのかな?
…。
ニコニコと
笑いやがって…
その言葉に反論の手立てを失い
諦めたように溜め息を洩らす
そしてそのまま体勢を変えベンチへと寝転がった
あ
丁度いい高さだな
「言いはしたんだけど…」
人の膝を枕にするのは…
見下ろす瞳に鼻を鳴らし
「其処に居るのが悪い」
そう言い放ち
「十分経ったら起こせ」
そうしたら退けてやる
と
目を閉じる
「横暴だね…君は。まぁいいけれど…」
溜め息混じりの呟きを聞き流していれば
「どうせならしっかりと寝ればいい…」
一、二時間ぐらいなら君も少しは寝不足を解消できるんじゃないかな?
その言葉に
片目だけ目蓋を開ける
「…痺れるだろう?」
「その気遣いは何処かズレてる気がするのだけど?」
「暇じゃないのか?」
「丁度、読みかけの本があるからね。時間は潰せるさ」
「お前が…そんなものに興味があるとはな」
「“本”と言うものには基本興味はないよ?君の“世界”を識るのにこれ程適したものはないからね」
でも
よく解らないから
本…図書館と言うのかな
その端の棚の端から少しお借りしてる
そう見せられた分厚そうな物に眉間の皺を深め
「何か用があったんだろう?」
「君が起きたら連れてってくれるだろう?」
「…」
ふふ
と
口元を緩めたアランに何も言わず
顔を背け目蓋を閉じると
マコトは眠りについた
※ゴーストのマコトとアラン
ナチュラルに膝枕とかかましてくれそう(笑)