日朝キッズ駄文部屋

□それがなのか、これがそうなのか
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「でねぇ〜」
「うそうそ!」
「きゃぁ〜素敵じゃない!!」


わいわい
きゃあきゃあ
クラスの女子が話をするのを耳にしながら
溜息を吐いた
女子って何でそんな話で盛り上がれるんだろう

「いいよなぁ・・。気楽で」
「・・リュウタがそんな言葉吐くなんて珍しいな。」

何かあった?
レックスの問いに机に顎を乗せまた溜息を吐いた

「あったというか・・見たというか」

思わず授業中に居眠っていた事をポツリポツリと話せば

「あぁ、寝てたな。普通に」

と笑われた
だってよぉ・・
眠くなるんだよ
仕方ねーじゃん。
ぶーぶと文句を垂れれば女子のある意味奇声が飛び交うのが耳に入る


「それは“運命”の相手ですって」
「ロマンチック〜」
「私も会いたい〜」


きゃあきゃあ
わいわい
本当に飽きない

「何が“運命”の相手だよ。馬鹿らしい」
「・・そうかな。」
「え?」

思いがけない言葉に目を点にさせた
まさか
レックスがそんな事言うなんて・・

「彼女たちが言うのは多分“運命の恋人”とか言うものだろうけど言い方を変えれば様々な言い方が出来るとは思わない?」
「言い方?」
「そう例えば・・」



※※※



「あんた一体・・・?」

思わず呟いていた
呟きは工場の騒音でかき消され相手には届いていないだろう
その一瞥の眼差しがそう言っていた。
社会見学で訪れた工場
其処に現れたアクト団
何を企んでるかなんて分からないが
今回は凄く凄く嫌な感じがした
あんな夢を見た所為もあるかもしれない
でも

「・・ウサラパ。アクトホルダーを貸せ」

違う
そうじゃない
何かが湧き上がる
騒音さえもかき消す声に
圧倒的な力の前に“友達”が倒されても
目が離せなかった

「・・君達も怪我をしたくなければ此処から立ち去る事だ」

工場の溶鉱炉に何かを誰かは投げ入れた
そんな事よりも目が離せない
焼きついたように
離せない

「何?何?何に?」
「嫌な予感がする・・。早く外へ!!!!」

マルムやレックスの声が耳に届く
でも
目が離せない
工場から連れられる様に外に出れば一瞬で工場が消えた。
でも
それでも
既にその姿は飛行船のような機械の中にあるから見えはしないけど
その姿から目が離せない

「今の・・。アクト団か?」
「わかんないけど。工場が・・」

不安な声が聞こえる
けれど
俺の頭にはその言葉は響かない
響いているのは
あの時の他愛の無い会話の言葉だけ


“運命”のって言えば恋人が多いかもしれないけど・・
いろんな意味があるじゃないか?

なんだよそれ?

例えば・・
ライバルとか友達とか

・・微妙じゃネェ?

そうかな?
大事だと思うけど・・
あぁ
リュウタの場合は彼女たちと同じ考えなのかもね

あ?

ニュアンスは違うけど・・










(“運命”の相手・・・・・・?)

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