日朝キッズ駄文部屋

□その笑みの下
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「ちょいとまちな!!」
「・・・・」

廊下を歩いていれば後ろから声をかけられる。
驚くこともせず、視線だけを向ける。
そこに居るのは仲間・・・仲間と言える女だ。

「何か用か?ウサラパ?」
「用だから声をかけたんだよ!!」

分りきってるだろう!!
ヒステリックに叫ぶ。
そんなものを気にも留める事無く、振り向き

「なんだ、さっさと言え。」
「あんた・・なんであんなことしたんだい!!」
「あんなこと?」
「しらばっくれんじゃないよ!!あたしはやめてって言っただろう!!」
「・・・あぁ、アレの事か」

何を怒り狂っていると思えば。

「恐竜をカードにしやすくしてやっただけだ。」
「あんたに血も涙もないのかい!!」
「・・・あるが?これでも?」
「だったら!!なおの事!!恐竜にだってあるんだよ!!」

あたしは今日それを知ったよ。
そう叫んだ。

「・・・・」
「あんなに温かいものだったなんてね・・カードとしか見てなかった。」
「・・・・それは私に対する説教か?」

鼻で笑う。
くだらないな。

「別に説教するつもりはないよ!聞きたかっただけさ!!あんたは恐竜の事をどう思って・・」

ぐー

「・・・・・・」
「・・・・っ!!」

途端に間抜けな音。

「くっ・・」

思わず噴出す。

「わっ笑うんじゃないよ!!」
「犬以下で満足に食事も貰えないとはな・・くっくく。」
「だから!わらうんじゃ・・っと!」
「くれてやる。」

ポケットから取り出したモノを投げた。
研究途中で食べようと思っていた携帯食だ。

「腹の足しにはなるだろう?」
「えっ・・あっ・・お礼は言わないよ!!」
「それだけしか持ち合わせがないが・・後ろの2人と分けるんだな。」
「へっ?」

そう告げると踵を返し歩みを進めた。

「ちょっ!!まだ話は終わって・・」
「ウサラパ様〜」
「欲しいザンス〜」
「あーもー!!」

そんな抜けた会話が耳に入りながらも呟く。

「恐竜の事をどう思ってるか・・だと?」

それこそ最高の冗談だ。

「そんなこと分りきっている」

タダノジッケンドウブツデドウグデ・・

ソシテセカイヲ・・・

笑みが零れた。







※おいらの中の(サイトの)彼は邪悪。・最初の頃は。

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