錬金・調合駄文部屋 

□君に対する彼の事情
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1、

「うーん…驚いた」

気配が無い…
まさかここまで出来るだなんて…
森林が生い茂る場所で一人腕を組み口元を緩めた。

「修業の成果ってやつかな…」

武器の一つを構えゆっくりと相手の感じない気配を感じる為に歩きだす
そんな中、殆ど薄れていた昔の記憶を思い出した。
よく、付きまとわれてたっけ…
そして何時も口喧しかったし
ああ、でも

「(そう言えば…昔から気配を消していた僕を高確率で見つけたよね…毎度毎度騒がしかったけど)」

今度は逆かな…
クスクスと笑えば声がした。
すぐに誰の声か気付き溜め息を洩らす。

「ん〜。買い被り過ぎたかな?」

相手に気付かれぬように近づけば

「ううん、折角頼りにしてくれてるんだし…頑張らないと、あぁ…でもなぁ修業とかよりデートしたいなぁ…買い物とか…うふふ」

やっぱり…
溜め息を交じらせ武器を

「そう言うのを」
「!?」
「隙ありって言うんだよ?知ってた?」

斬り上げた。
凄い音と共に何か落ちてきた…

「うっきゃあっ!!」

一応、それは探していた人物で…
茂みに仰向けに倒れる人物、ササリナにニマッと笑みを浮かべ

「あいたたた…」
「僕の勝ちだね」

勝利宣言をしてやった。
こんなので勝っても面白くも無いけど

「女の子に対して酷いわよ!!」
「“女の子”って歳じゃないでしょ?」
「まだ若いもん!永遠の二十歳だもん!!」

そのままの態勢で地団駄を踏んでいる
あ…
暴れるから

「…ササリナ。くろ」
「っ!?」

いスパッツが
見えたよ。
ガバッと起き上がり顔を真っ赤にしながらも

「み、見た?見てないよね?」
「え?何が?あぁ、うん。見てないよ?見てない見てない」
「やっぱり見てるし!!」
「はいはい。そう言う事にして上げるよ。」
「…していらないわよ!」

誰も下着とは言ってないのにね
気付かれないように笑えば

「あーあ。何で見つかったかなぁ〜。結構自身あったんだけど」
「…君が騒がしいからじゃない?」
「あ!そっか〜なるほど」

あれだけ大きな声の独り言なら誰でも気付くよ

「誰が騒がしいのよ!」
「今、まさに、君が。」
「何で区切るのよ!」
「何と無く」
「〜っ!!」

そろそろ飽きてきたかな…
そんな事を思っていれば

「もう、いいわよ!今の話題はどっかに捨てといて」
「不法投棄は犯罪なんだよ?」
「いいの!自然に還るから!それより今日はどうするの?終わり?」
「ん〜。そうだね…」

タイミングよく話題が、その方向に進んだ
さて、何しようかな…
そうだ

「いやでも…あたし達付き合ってるとかそうじゃなくて…ちょっとぐらいわ〜」
「…酷い独り言は、流石に医者に掛かった方がいいんじゃないかな?幾ら知識があっても本物じゃないんだし」
「そこまで酷くないわよ!って言うか…今のは忘れてください…」
「聞かなかった事にしてあげるよ。まぁ、今日は終わろうかな」
「じゃあさ…明日…」
「用事があるからあの人の所に行こうかなっと」

軽い感じで言えば
凄く神妙な顔をされた

「ふーん、そっか…」
「…今、何か言い掛けなかった?」
「え?別に何にもないよ!ちぇっ、買い物付き合ってもらいたかったのに〜。つまんないなぁ〜」
「…僕も多忙だからね」


今の表情は何?
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