錬金・調合駄文部屋 

□その花の色は・・
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「・・・・」

さみしい

窓辺から覗き込むように暗くなった空を見上げる。

きょうはじぶんのうまれたひ・・・らしい。
あたしじしんおぼえていないからきいただけだから・・。

「!?」

物思いに耽っていれば、家のドアを叩く音。
まさかと思い、テーブルの備え付けの椅子を扉の方まで引っ張り、飛び乗りドアを開けた。
しかし、そこには

「お届けものです」
「・・・・」

ちがった。
・・・ちがった。

その人物は宅配業者で持ってきたのは花束。
小さな紅い花が沢山詰まった花束・・
一つお礼を言い、それを受け取ると差出人は、例の如く

「なによ・・」

投げつけたい気持ちを押さえそれを抱き込んだ。

いつもいつもしごとでいえにいないのに
こういうのだけはおぼえてる
でもぜんぜんわかってない
きづいてくれてない

「・・・・」

あかいはな

ひのいろ

ゆんのいろ

「・・・っ」

涙が浮かぶ。
必死に耐えようとするほど浮かぶ・・

「さみしいよ・・」

呟いても決して聞こえるわけではないのに

おかねなんていらないから

はななんていらないから

「そばにいてほしいのに」

呟き、小さな紅い花束をより強く抱きしめた。








「たんじょうびのぷれぜんとがださいはなだからもんくをいいにきた!」
「っ!?そんな理由でか!!」



はやくきづいてほしいのに







※炎親子。
不器用な父と娘。

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