錬金・調合駄文部屋
□その言葉は・・
1ページ/1ページ
《その言葉は・・》
「お姉ちゃん〜♪次のクエストなに受けるぅ?」
嬉しそうに隣で肩を並べて歩く姉に尋ねる。
そんな妹の言葉に姉は口元に手をあて考える
「そうね…。」
しばし考える中、
「討伐クエスト辺りでも…?あら」
「ほえ?」
自分達の正面から歩く人物に、ユラは小さめの声をあげる。
それに合わせ姉の視線の先を向くと前から歩いてくるのは
「アッシュだ〜」
「……」
長身の青年は自分の名を呼ばれちらりとこちらの方を一瞥し
「…フン」
と鼻で笑っただけだった。
「なっ」
明らかに人を馬鹿にしたのは明白というのがわかり、ユラは眉間に皺を寄せる。
それにお構いなしに二人の横を素通りする青年にムカッと青筋をたてた
「…相変わらずの男のようね。」
苛立った声で過ぎ行く青年の背中を見送り、先程から言葉発せぬ妹に気付いた。何故か過ぎ行く青年の背を見ながら嬉しそうに頬を緩めている
「…ネル?」
「ほぇ?」
「どうしたの?何だか嬉しそうね」
何が嬉しいのか顔を緩ませている妹にそう聞いた。
「なんでもないよぉ〜!それより早くクエスト受けに行こっ♪」
はぐらかす様に手をばたつかせながらギルドに迎う
「コラッ!気になるでしょ!!」
何かを隠す妹に真相を聞くために姉は追い掛けた
へへへ…内緒だもん
『……うまかった』
この言葉だけは、あたしのものだから