捧げモノ&素敵頂きモノ駄文部屋1

□the reverse proposal
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「ねー、アッシュ。」

「………なんだ。」

「あたし達って、結婚するの?」

「!!!」


ネルの唐突な爆弾発言に、アッシュは柄にもなく、口内に注いだコーヒーを吹き出した。それは辺りに飛び散り、染みが点々と付着する。
しまった、とアッシュは慌てて立ち上がるが、その拍子に、机の上に置いていたカップが横倒しになる。そのせいで、拭き掃除したばかりの机もコーヒーの色で染まることになった。


「もう、何やってるのよー。」

「す、すまん…」


ネルはアッシュにそう一瞥した後、タオルに机に広がっているコーヒーを染み込ませる。最初は片付けなど苦手の部類だった彼女だが、アッシュと同棲生活を始めてから家事全般をこなしていたため、そういった事は幾分と手際が良くなっている。

机の上を元通りに拭き終え、ネルは次に床へ飛び散った染みの除去に取りかかる。
アッシュも彼女を手伝おうとしたが、「あたしがやるんだから!」と妙な意地を張られ、ただ見ているだけしかできなかった。
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