捧げモノ&素敵頂きモノ駄文部屋1

□偽りの言葉、本当の言葉
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「……邪魔をするなら、外に出ていろ。」


その瞳を見て、本気で怒っているというのが直ぐに分かった。

いつもなら、何だかんだで最終的には構ってくれるのだが、今日はどこか様子が違う。なんというか……すごく苛々している。


「ご、ごめん…………。…あ、あたし、イリスのとこ行ってくる!」


泣きそうになるのをぐっと堪え、ネルはアッシュの返事も聞かず、部屋を飛び出した。







***



「………そう。アッシュがそんな事を…」

「ねえ、あたしどうしたらいいと思う!?ノエイラ!」


部屋を飛び出したネルが行き着いた場所は、ギルドの奥にある、ギルド長──ノエイラの部屋だった。
最初、イリスの家にも行ったが、鍵がかかっていて留守だったのだ。そこへ偶然ノエイラが通りがかり、現在に至る……という訳だ。


「何にもしなくても良いわよ。多分、照れてるだけだと思うから。」

見かけに寄らずシャイだからね、とノエイラは付け足し、くすくす笑っている。
だが、ネルには全く理解できなかった。照れてるなら、あんな表情は出ない筈だ、と。
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