捧げモノ&素敵頂きモノ駄文部屋1
□偽りの言葉、本当の言葉
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「………………おい」
「ん?なにー?」
「……早くそこをどけ。」
邪魔だ、とアッシュは溜め息を交え、肩に埋めているネルの額をコツンとつく。
それでもネルは離れず、より一層力を込めてアッシュを抱きしめた。
「別にいーじゃん!こーいう事も、たまには良いでしょ?ね?」
「……っ!だから……」
言いかけて、アッシュは口を閉ざす。
本日二度目の溜め息を吐いて、手元に置いてある雑誌に手を伸ばす。そして、黙々とそれを読み始めた。
「もう、また本!?こーんなに可愛い彼女がいるんだから、相手くらいしなさいよ!」
「……………」
ガクガクと、アッシュの肩を揺らしながら、ネルは必死に訴える。……が、アッシュはシカトを決め込んだらしく、雑誌を読むことに集中している。
やがて、ネルは諦めたらしく、アッシュの肩から手を離した。
だが、シカトされた事に怒りを感じているのか、頬を膨らませながらアッシュを睨んでいる。
突き刺さる視線に、アッシュは耐え続けていた。だが、すぐその痛さに我慢できなくなり、ネルの方を振り返って低い突き放すような声で言った。