その他著権駄文部屋1

□告白/宣戦布告の恋愛歌
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「…」
 
売り言葉で
買い言葉
…言い争うつもりは無かったんだけどなぁ
小太郎は遥か頭上に僅かに光る地上の明かりを見つめ
一つ
溜息を零す
違和感を抱いた“気持ち”を確かめたくて
でも
本人に聞く事は躊躇われて
仮に尋ねてもきっとはぐらかされるだろうし
だったら
よく知る人物ならと尋ねてみたけれど
結局は
はぐらかされて
でも
はぐらかされたけれども
その言葉で
相手が何か“隠している”と言うのは理解出来て
その“隠し事”は恋人を…スティンガーを雁字搦めに縛ってる
しかも
あまり良い方向じゃない
自分は“幸せ”になっちゃいけないとか
自分には“幸せ”を求める権利は無いとか…
痛いぐらい
悲しいぐらい
辛く悪い方向に…
正直
自分が好きになった人は幸せになって欲しい
出来れば
自分自身が“傍”に居れる事が最高だけれども…
“傍”に居ることが出来なくても
端からでも
その人が“幸せ”だと分かれば
自分だって
嬉しくて
幸せな気持ちになれる
だから
どうしてそう思っているのか
その“原因”を確かめたくて
でも
聞いては行けないような気もして…
悶々
悶々…
沸き上がるそんな気持ちを何処にもぶつけられなくて
だったら
ジャークマターにでもこの悶々とした気持ちをぶつけようと
まぁ…
ただの八つ当りなんだけど
大概の事をしてる連中だし八つ当りしても良いよね
寧ろ
向こうはされても文句は言える立場じゃないし
倒せばその分“平和”に近づくし
まだまだ仲間の中では弱い方だから
その分強くもなれるし
強くなれば頼りがいがあると思って
隠している事も言ってもらえると思うし
…言われた事だけど
今の俺は頼りがいがきっと無いんだろうな…
だから
一石何鳥!
と思って
トレーニングも任務も積極的に頑張ってたんだけど
だけど…
 
「(…何が駄目なんだろう…)」
 
僅かな明かりで辛うじてその存在が分かると言う程の明るさの中
ちらり

視線を後ろに向ける
デスワームを倒そうと躍起に成っていたのを
叱咤されて止められて
寧ろ
それよりも前から事ある毎に厳しい口調で咎められる事が何度もあった
だから余計に意地になっちゃって
でも
結局は守られる形で逃げようとするデスワームに巻き込まれて
地下空間に一緒に落ちた
スティンガーが気配でだけれど
辺りを見回している様子が分かる
仲間の中でも強いスティンガーに頼られる程の“存在”になるには
“強く”ならないといけないと思うのに
溜息を零しながらも
視線を再び頭上へと向ける
地上の明かりが何度見ても遠い
普通に戻るのは無理かな…どうにかして汚名を挽回しないと
その為には
地上に戻らないと
 
『ロキュータマ』
 
 
「!」
 
どうやって皆の居る地上に戻るか考えていた矢先
突然のキュータマの発動に驚き振り返る
振り返ると
ロキュータマの力で生み出された焚き火が其処にはあった
スティンガーが発動させたのだろう
生み出された焚き火で漸く互いの顔が認識できる明るさになった
改めて気付く
今なら…
二人きりだ…
もしかしたら今なら聞き出せるかも…

考える
でも
どうやって…
切り出そう…
 
「(…あ!)」
 
考えを巡らせ
ふと
何かに気付いたように小太郎は言葉を口にした
 
 
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