Mix Charge!

□005
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005 別に彼らは普通の高校生活をしているわけで…2



──2年1組

「……幡谷くん。何やってるんですか?」

教室の前方、つまり教卓の前にいる幡谷に、新離が話しかけた。
幡谷は作業している手をとめて、新離の方を見据えて凛とした態度で、答える。

「チョーク立て。」

普通(そんな真剣に教卓で)しない。
簡潔に答えた幡谷。そして豪快に机を揺らす新離。そんな二人とチョークの落ち行く様を見つめる2-1生徒達。

「……性悪。」
「何か?」

半泣き状態で新離を睨む幡谷。
ニッコリと微笑む新離。
二人は仲が良いのか悪いのか。中学が一緒だったこともあり、二人でいることが多いがその真相を知る者はいない。
幡谷が新離の滅多に見せない笑顔の裏に隠された恐ろしさに冷や汗を出していると、

「地震!?皆、ヂシンだよっ!」

教卓の下から大声で騒ぎ立てる女子、ジンが登場★
お前、そこで何やってたんだ?

「机の下にいたらなんか普通有り得ない量のチョークがふってきたからさ。……ってかめちゃくちゃ折れてるよ?」

冷静になったジンが見たものは、軽く粉々になったチョークだったものたち。

「あ、本当じゃ。……先生ゴメン。」
教卓にチョークを立てた幡谷は全く悪いと思っていない様子で謝る。

「別にこれくらいなら使えますよ。ね、先生。」
幡谷に続き、先生に話しかける新離。

その粉々のチョークを使え、と?
笑顔の新離の後ろには黒いオーラが漂っている。
何ゆえ今日そんなにダークですか。新離さん。
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