Mix Charge!

□004
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004 別に彼らは普通の高校生活をしているわけで…



──2××7年 6月

──1年2組


「なんや、二人同じ学校やなかったんかい。」

直樹の目立つ関西弁がクラスにひびく。
直樹の目には二人(光とゼン)が中学時代からの知り合いにうつっていたらしく、学校が違うということに驚いたためだ。

「えぇ。まず一年前は中学すら行って無かったわよ。」
「いや、中学は行けや。何軽々しくサボり宣言しとんねん。」

ごもっともです。


光は特に威張る様子もなく、何か言って欲しいわけでもなく、依然と何かを書く作業を続けている。
恐らくは、生徒会の書記の仕事であろう。頼りになる彼女は(自分から)全ての仕事を責任をもってこなしていた。
と、いうか、前にも述べた通り、自分がしはい……全てやらないと落ち着かないらしい。


「オレも中学は行って無いゼ?」


──
……───ダレ?

「いや、マジで誰やねんっ!」
またもや軽々しくサボリ宣言をしたのは、ゼン。
うん、そう。ゼン。

「あら?知らなかったの?棗くんはもともとこっちの性格よ。」
「その苗字こそ誰か分からへんやん!ギャップありすぎやろ!今までのセリフ見てみぃや。」


一、ジンが扉にぶつかった時「大丈夫か?」←棒読み

一、ジンの家に入る時「やぁ…。」

一、ジンの部屋で写真を見つけた時「……写真だぁ!」←棒読み

一、大城戸家にて、マージャン大会の時「これはなんだ?」←棒読み


「なんやでっ!?」

黒板にそれらの文字を素早く書き、光に向かって叫ぶ。
クラスメイトは不思議そうに直樹の行動を見つめたが、六月ともなると流石に馴れたのか、関わりたくないのか、すぐに視線をそらす。

直樹の数えた結果によると喋った回数僅かに四回。ちなみにセリフ回数比較はゼンが今までで4回、幡谷が一話だけで11回。新離やジンや光と比べるとあまりにも胸が痛くなるのでしません。(←メンドイだけ)


「ま、臨機応変ってヤツだよ。よろしく。」
「うわー。凄まじい違和感や。」

「でも会った時にはあっちの性格に違和感があったはずよ。」

──あの果てしなく棒読みを極めた性格な。(それは性格と言うのか)

「……まぁ、そうやな。」

「つまり、そういうことよ。慣れれば気にすることもないわ。」

光はそれだけ言うと変貌したゼンと絶句した直樹を置いて教室を出ていった。
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