ロマサガ浪漫細工
□新約 raGnARok 〜神々の戯れ〜
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「いやぁ、確かにあの踊りは素晴らしかった。
“買えない価値”だなんて、いいこと言いますねぇ、シリル?」
一人焦るシリルを余所に、エロールは遠くを見つめてうっとりと微笑んだ。
『…踊り?』
彼の言葉に、シリルが透かさず突っ込む。
「ぁ、いや…、忘れてください」
『エロール!』
はぐらかそうとするエロールを、シリルは逃がしはしなかった。
エロールが、上目遣いに巨木を見上げる。
「………踊り子のバーバラですよ」
やがて彼は、諦めたように口を開いた。
『……?知らないな。』
「今やニューロード全域で、知らない人はないくらいの超有名人ですよ。知りません?」
説明しながら、エロールはふっと笑い、呆れたように肩を竦めた。
『…それで?』
シリルがごく普通に聞き返す。
「彼女に一曲踊ってもらっんですよ?!」
あまりにも食い付きが悪い相手に、エロールは立ち上がり、両手を広げて大げさにアピールする。
『で、彼女へのギャラが払えなくてアメジストをやったと?』
いかにも自慢げに言う相手に、シリルは冷たく言い放った。
「………。」
『呆れたものだな…』
言い返さないのは図星だろうと、シリルが更に追い打ちをかける。
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